2014年5月24日土曜日
RIP、スティーブ
知人の突然の訃報に、共通の友人らと共に驚きと悲しみのコメント合戦の最中である。
彼はとてもきれいな歌を作るギタリストで、Today's Showというアメリカの有名なテレビ・ショーに出た事もあるし、最近また大きなステージで、演奏活動を始めたばかりだった。
最近までかなり元気で活発に活動していたんだけれど、ずっと患っていた病の悪化で、昨夜遅くに亡くなったらしい。
最近メールで彼のショーの楽屋に遊びにおいで、と誘ってくれたばかりで、その返事も出さないままだった。
彼の訃報とは直接関係無いのだけれど、数年前に飛行機のシートが隣同士だったことで、親しくなった人物がいる。その人の名前はピーターと言って、コミックスやアニメーション専門のジャーナリストだと自己紹介し、なんと私は日本で漫画やってるんですよ、とか言うことで、たった45分間程のフライトのアメリカ国内線の中で、急速に親しくなってしまったのである。
年齢は、かなり離れていると思う。ピーターは白髪に真っ白いあご髭をたたえたサンタクロースみたいな感じの素敵なロマンスグレイだ。
いつものことながら私は、飛行機に乗ると隣席の人とのコミュニケーションは極力しないようにと全エネルギーを使って抵抗するので(笑)、最初の数十分間は白々しい空気が流れていたはずであるが、一旦会話が始まってしまうとなんとも言えない親しみを感じ、まるで旧知の知り合いのようになってしまったのである。不思議な出会いだった。
彼が飛行機を降りる時に名刺をくれたから、私は日本に帰国してからFacebookで彼を見つけて、それ以来中々に親しい交流を続けているのである。
ところで、ピーターとFacebookで繋がってしばらくして、互いに共通の友人がいることがわかった。驚きながらもそれについて多くはお互いに語らず、お互いがその人物とどの程度親しいのかなども、触れないままで今まで来た。
何故ならその共通の知人は既に他界しており、おまけにかなりの有名人であることと、ちょっとした複雑な事情もあって、なんとなく互いにその話題に触れる事にナーヴァスになっているような感じもあり、共に踏み込まないで今日まで来たのである。
そして今回のスティーブの訃報を受け、なんとそのジャーナリストのピーターが、スティーブについての長い思い出コメントを寄せているのをさっき見たのだ。な、なんと彼は、私よりもずっとずっとスティーブと親しい間柄なのだった。
そしてその他界した人物とスティーブが親しかったので、ピーターの思い出話はその、既に他界した共通の友人との思い出話にまで及んでおり、期せずしてピーターの立ち位置が、私には今回はっきり見えたのであった。
なんとも不思議な縁。
というか、こういう縁が、この、私のアメリカの友人/人間関係には、いつも満ちているのだ。
よくソウルメイトっていうじゃない?
もし私にソウルメイトやソウルファミリーがいるとしたら、多分この、本当に長い長い時間、言ってしまえば、私が10才くらいの時から脈々と続いていると言ってもいい、この不可思議なアメリカの、人生の先輩達との交流がそうなのかもしれない。と改めて思う。
もしかしたら前世かなにかで、同じトライブにいた家族か何かだったのかもしれない。
今は学校を優先しているので、アメリカにいても中々彼らに会う時間がとれないのだけれど、私が今なんとなく感じるのは、今年学校を卒業したら、私はもしかしたら真っ先に、彼らの元へと、帰ってゆくのではないだろうか。
いつでもどんな時でも、静かに私の傍らに寄り添ってきてくれたこの不思議で優しい関係が、これからもっとより明確で確かな物になる、そんな気がするのである。
RIP、スティーブ。
生まれ変わっても、またどこかで会うんじゃないかな。
そんな気が、とてもするのである。
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