2015年9月27日日曜日

アヒルと羊

物をはっきり言わない人は我慢強いとか優しいとか人を傷つけないとか、文句や悪口を言わない人はいい人だ、とかいう道徳観念に、あまりにも侵され過ぎると、悪がはびこる(笑)世の中になる。

私は善悪の二元論は信じていない人間だが、普遍的な良心というものを持たない人、あるいは、なんらかの理由で、その良心の領域を深く封印している人というのは、実際にいる。

武器というものが命を殺める道具だと言う明白な現実を知りながら、その武器を売ってお金儲けをする計画を、全く恥じずに人前で公言出来る人間がいることを知ったのも、つい最近だ。

何故人は、そんな風になれるのだろう。

私は、利己的な動機で犯罪(戦争や一般的な犯罪や人間関係上の心理的物理的搾取や裏切りなども含め)を犯す人に対して、その心理的な背景を配慮する事はいつも行うのだけど、行為自体を肯定出来るかというと、それはまた別の話だ。

肯定出来るとすれば、その人が、自分のやってしまった事を深く悔いて、被害者が心底納得するような、過去の罪をきれいに精算出来るような事や補って余在ると誰もが思えるような行為(言葉ではなく)を完結した場合であり、それ以外でそういった人物に対して寛大な心を持つ事は滅多に無い。

こうした、誰かが犯してしまった、他者を巻き込む利己的な行いに対して寛大だったり理解的な事を言う人というのは、自分自身のそういった行いに対しても寛大である可能性が高いと思うので、犯罪者や搾取者の理解者に、自分はなりたくはないのである。




政治や他者や社会への不平不満を、延び延びと、思い切り語り合える相手がいるのはいい。

これは自分がスッキリするという以上に、なんらかの良い浄化をもたらす事になり得るという体験を、最近し続けている。

数ヶ月前に私はたまりかねて、ある人物を公衆の面前で怒鳴ってしまったのだけれど、それを見ていた関係者たちが、その人物からの多大なる被害を口々に告発し始めて、あっという間に人間関係の交通整理がなされてしまった。

私も私の友達も、自分について善人やましてや正義の味方みたいな自意識は全く持ってはいないのだけど、こうして悪人が日の下にさらされてみると、狡猾だと思っていた自分自身が如何に純朴だったかを、イヤでも自覚するもんですよ奥さん。
みんなー私も含めてですが、その悪しき行為への思いやりや理解を示そうという心から、長年、誰も何も文句を言わなかったんですからね。驚くべき現実。
そうやって、善人の優しさを滋養にしてはびこる悪は多いよね、世の中。


ところで私は最近、互いの中にある誰かや何かへの不満や怒りや感情的ストレスにジャッジを下さず、そのストレスへの思いやりを持ちながら、話を聞き、語り合えるというのは、ある意味、おのれに対しても厳しい人間同士でないと出来ない行為なのかもしれないと、気付いた。

自分の中にある誰かや何かへの不満を直視し、自覚し、分析し、言葉に出して人に伝えられる人というのは、同じ事を自分に対しても明晰に行える人だと、私は感じる。
自分の中の不透明な領域をきちんと把握し、それを正して成長してゆける人だと私は感じる。

誰かや社会への悪口やストレスを、柔らかい言葉や偽善的な表現で誤摩化さず、辛辣な、ある意味乱暴で独善的な言葉で分析的に語れるというのは、「自分は今、利己的な動機で不満を表明している、だから自分の今行っている行為を正当化はしないし、それを聞いた相手にどう思われても構わない」という覚悟と自覚があってこそだと私は思う。
(もちろん世の中には、もっと不透明な心からそれをやるサイコな人もいるけれど、ここで書いているのは、そういう人は論外、という前提の元でです。)

最近、日本の政府の在り方に沢山の人が声を上げていて、とても素敵だなと思う。
健全な政治家なら、そういった声を歓迎し、きちんと対話を求めてくるでしょうが、悪代官は、発言自体や発言した人物自体を貶める様な事を言い出すものである。
日本はこの先、どうなることでしょうかね。



個人的には、政治の事も含めて、成熟した会話をする機会を最近続けざまに与えてもらって、私はとても幸せでした。


というわけで、このお料理写真は、日本での、そんな素敵な大人達との女子会にていただいたお料理です。

北京ダックはパスカルズ M井部長様の奢りでございます。
ご自身がグルメであられるのだけれど、下々の者をつき合わせるのは残酷、という理由から、わたくしたちに自腹で振る舞ってくださったのでございます。
ありがたき幸せ。

場所は新宿、海外からいらした政界の大物なども多く利用されるという中華料理屋さんだそうです。

カリカリクリスピーなダックの皮にお砂糖をまぶして食べる。

サーブしてくれるお嬢さんが美人

北京ダック色々。萬頭で挟んだ北京ダックサンドが特に気に入りました。



ダック麺



で、ものすごかったのが以下のダックのスープで、なんですか、ダックを一羽丸ごと絞って作りましたみたいな、新鮮ダック濃厚味だったのでございます。
これね、いやー、人間て罪深いわ。。でも美味しかった・・・。

見た目は控え目なのにすさまじいダック・パワーを持った一品


お次は、間髪入れずに決まった次なる大人の女子会にていただいた、羊三昧レポート。
これは神田の味坊さんというお店でいただいた物ですが、どのお料理も大変美味しかったです。

前菜盛り合わせ。どれも大変異国情緒あるお味です。

羊の炒め物。絶品。

白菜とチャーシューの麺


羊の串焼き。絶品。

この他に、青菜の炒め物や、今回の女子会のテーマであったマトンの水餃子と焼き餃子などもいただきました。美味しかったですが、このお店はがつんと羊の真っ向勝負なお料理の方がより美味しいと思いましたね。串焼きとか、羊炒めとかね。

美味しかったし、会話ももうなんですか、ダック女子会を凌ぐ勢いで盛り上がりましたね。

ところでこのマトン餃子女子会を、私の渡米前にギリギリ実現に導いたのは、映画"野のなななのか"で主人公鈴木光男の青年時代を演じられた、かっくいくておしゃれで素敵で大人な男性、俳優の内田周作さんです。

最近私たちの女子会メンバーにレギュラー入りされた周作様、次回はあったかい作り立ておはぎをいただく会、などを積極的に発案し、既に女子会幹部へのスピード出世をにおわせる貫禄を漂わせておいでです。

女子会なのに。


アメリカから帰国したら早速みんなで、暖かいおはぎを食べに行ける予定。
私は本当にしあわせものです。