レンヌのフェスにいたロバ |
なんでパスカルズの旅って、奇妙な事が沢山起こるんでしょうね。
今回のツアーのトラブルの目玉は、なんたってパスカルズ欧州ツアー(3) に書いた、バンジョー原くんのしでかした、じゃなくて、お手柄の、ホテル盗難未遂事件だと思うのだけど、で、それがあまりにも大きくて他が霞んじゃったようなところはあるんだけど、実は他にも沢山、歴史に残る様なトラブルはあったね。
先日のパスカルズ・ライブでバンマスがMCでも言ってたけれど、石川さんがひとりでミラノ行きの飛行機に乗ってたりとかね。
他のみんなはジュネーブ行きに乗ってたんだけどね。
パリからジュネーブ行きの飛行機にみんなで乗って、もうすでに搭乗からたっぷり時間も経って、あとは飛び立つのを待つばかりって感じで、まったりと飛行機の座席になじんでいた頃に、前の方に座ってたバンマスから、「サラさ〜ん」て呼ばれたわけ。
だからバンマスの席の所まで歩いて行ったら、「浩司いる?」って聞かれたわけ。
「あ、こっちにはいないです。」と言って自分の席に戻ろうとしたら、「こっちにもいない。」って言うわけ。浩司が。で、バンマスがこう言ったの。
「浩司が別の飛行機に乗る所を、龍ちゃんがちらっと見たって言うんだよね。」
いやいやいやいや。
ダメだろそれわ。
確かに、その日は移動のみで本番は無い。
ジュネーブに着いたらホテルに直行で、一泊して翌日パレオ・フェスで演奏だから、今日浩司が別の飛行機に乗ってしまったところで、浩司は着いた土地でまったり観光でもして、翌日ジュネーブに来てくれたって、問題は無いよ。
しかーーーーし!
真に問題なのはそこではない。
そこではないんですよ奥さん!!
今回パスカルズは欧州内移動を、バスにしようよ、って言ってきたラン・プロダクションを振り切って、東京ーパリ間の国際線込み欧州内周遊航空券を買って移動していた。
だってさ。バス移動は確かに楽しいよ?荷物も積みっぱなしだしね。でもさ、スイスのジュネーブから、ポルトガルのシネシュまで、成田ーソウル間にも匹敵する距離を、陸路で移動するってどうなの?
ランから届いたバスでの移動スケジュールを見たら、車内泊ってのが三回くらいあってさ、でも計算すると、車内泊で夜通し走っても、ぎりぎり着くか着かないか、ってな距離があったりするわけ。
車内泊という過酷な現実に耐え抜いても、もしかしたら間に合わないかもしれないのよ。
そんな博打みたいな事、ヨーロッパまで行ってやれっかよ、てなわけで、人間らしい、飛行機、という道を選んだのです。
ところがこの周遊券には条件があって、あらかじめ購入してあるフライト・スケジュールの便に、一個でも乗らないと、それ以降のフライトが全て、キャンセル扱いになってしまうんだなこれが。
つまり石川さんが、間違えてジュネーブじゃなくてミラノに行っちゃった場合、石川さんのみ、その後のフライト全部買い直し、つまりミラノからジュネーブまで自力で来たところで、ジュネーブからポルトガルのリスボンへ行って、リスボンから日本に帰る便もぜーーーーーーんぶが、無かったことになっちゃってるからさー、石川さんがぜーーーーーーんぶ自分で買い直さなきゃならなかったのですよ、ミラノに行ってたら。
そのお金を誰が出すんだか知らないけれど、石川さんが別の飛行機に乗ったみたい、と聞いた瞬間私の頭の中の計算機が、ざっと料金を見積もったね。まあ、運がよければ総額30万円てところでしょうが、日程が迫ってたから、便数が少なければもっと高くなる可能性はあり。50万円くらいが、現実的な数字かも。
結構切り詰めてるパスカルズのツアーでさー、それは無いでしょ。
幸い、パスカルズ関係者が他に誰も乗り込んで来ないことから早目に異常を察した石川さんが、こっちが気付くと同時くらいにこちらに向かってきていたんで事無きを経たけれど、あれはもう、本当にギリギリで回避できた結構大きなトラブルだったと思います。
そんな大きな事件の影で、あかねうつお双子姉妹もまた、何故か全く同じシート・ナンバーの搭乗券をそれぞれ渡されて、マネージャーのフィリップに頼んで、もう一枚違う座席の搭乗券を貰ってもらったりしていました。エール・フランスの人は、あかねとうつおがひとりだと思ったらしいんですね。
フィリップに一緒にいて説明してもらわないと、またデスクの人が、乱視でぶれて見えてるだけだと思っちゃうので、フィリップに行ってもらって、ちゃんと二人いるって説明してもらえてよかったですね。
あかねとうつおは二人いるから席も2席必要だと説明をするフィリップ |
ところで石川さんが遭遇した飛行機乗り間違いの件、実は以前私も、アメリカの国内線で、隣席の人が、やっぱ間違えて乗ってることに気付いて、慌てて出てゆくのを見たことがあるんです。
前にエッセイ漫画にも描いたので覚えていてくださってる方もいらっしゃるかもしれないんですが、あの時私は、どうしてそういう事が起こるのか、理解出来なかったんです。
しかし今回、いわゆる最終搭乗口で搭乗券を渡してチェックをしてもらい、既に飛行機へのタラップ的な通路に入った段階でも、なおかつ道がふたつに別れ、その道が、エコノミーとファーストクラス以外にも、全く違う飛行機に繋がっている可能性があるという現実を知りました。
これは絶対に、知っていなければならない、重要な現実ですよ奥さん。
今回、パリのホテルでみんなでチェック・アウトする際に、早目に来たおまちゃんが自分でキーを返したらフロント・デスクの人がおまちゃんに、2泊分のTAXの支払いを要求したんです。まあデスクの勘違いなわけですが。
おまちゃんがそばにいた私に確認してくれたから、団体で予約した際に既に支払い済みだって事を言って、あやうく払わずに済んだけれど、それがあったからみんなに、個別でキーを返さないようにって、言えたんですね。
おまちゃん様様だったんでお礼を言ったら、その時おまちゃんが一言、「オレは生け贄だ。」って言ったんですね。
そう。
まさにそれよ。
それが大事なのよ。
今回は、石川さんがまさに生け贄になってくれたおかげで、飛行機の重大な秘密がわかったわけです。
旅に生け贄は必需品だな、と、しみじみと、強く感じた私なのでした。(続く)
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