先月フジテレビBSで放映された"夢の食卓〜大林宣彦編"。
大林宣彦監督に一週間密着して撮影されたというこの番組ですが、監督の愛娘千茱萸さんの手料理がふんだんにふるまわれた大林家でのディナー会の席での撮影に、光栄にもご招待いただき、行って来ました。
当日は6時間以上もカメラが回っていたし、それ以外に一週間も密着したフィルムがあるし、それを30分番組にまとめるわけですから、このディナー会の模様がどれだけオンエアされるかわからなかったのですけれど、大事なお料理が二品しか紹介されなかったと聞いたので(うちにはテレビが無いので観られんかった涙)、このブログでアップしますぞ。
撮影の直後にアップしたブログでも書きましたが、千茱萸さんのお料理は天下一品、このディナー会の後しばらく体が軽くて元気いっぱい!を体験したというお土産付きでしたからね。どうぞ皆様、ちぐみさんの手料理と、監督の故郷尾道から届いた練り物などの写真をご堪能下さい。
変わり種ちらし寿司 |
ところでこのディナー会、お食事も最高だったのですが、このテーブルでおしゃべりしたことが、もう本当に、ずうっと心に残っているくらい、素敵だったのです。
一番心に残っているのが、ガウディのサグラダ・ファミリアの話。
やはりディナーの席にご一緒していた女優の常盤貴子さんが、最近のサグラダ・ファミリアについての、ちょっと寂しい現実を話し始めたのがきっかけでした。日本人の建築監督が引き継いでから、工事のスピードが速まり、完成のメドが立ってしまったということ。
完成のメドが立つのはいいことじゃないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし私は、そうは思わない派でしたので、この時の会話は大変感慨深く、心に残っているのです。
完成してゆくサグラダ・ファミリアについて違和感と寂しさを拭えない常磐さんと、それについてちぐみさんのパートナーで漫画家の森泉さんが、あれは神様の建築だから、完成するべきではないのだ、と仰ったのです。
尾道の蒲鉾各種 |
ガウディのサグラダ・ファミリア、あれはもはや、樹木や岩に相当する創造物だと私は思います。自然界の物が未来永劫形を納めない様に、あの教会もそうであるべきだ、いや、そういうものなのだと、思っていました。
そしてだからこそ、聖なる家なのです。
テレビの収録という現場で、度々会ったことはあるけれど、今まであんまり深く話し込んだ事の無いメンバーが(テレビ・クルーの方達も含めて!)そんなことを思い切り、心から語り合える場所、それがあの、ディナーの席でした。
お互いが静かに自分の本当の思いの丈を心から語り、誰もがそれに深く耳を傾ける、そんな時間だったんです。
美味しいお食事をいただけたのもとてもラッキーだったけれど、あんな時間をしみじみ持てた事は本当に幸運で、人生の宝と言ってもいい、そんな体験でした。
香草のたっぷり効いた羊のロースト |
含蓄の深い話に感動しながら耳を傾けている時に、突然ふいをついて襲いかかる、大林監督による必殺駄洒落乱れ打ちも、スリル満点でアミューズメント感いっぱいでしたしね。。。
とは言うものの、大林監督の深く大きな優しさを心底感じる場でもあり、色々な意味で心に残る、美しい時間、まさに夢の食卓だったなあと感じています。
ところでこうしてお料理の写真を列挙してみて気付いたのですが、あたしったら、全部撮ってないじゃない!!!!!
アボカドのコールスローや、キウイとブルーチーズのホットサンドの写真が無いじゃない!!
がーん。。。。
というわけで、お料理の写真はここで終わりです。
お料理好きのちぐみさん、変わったおもしろい食器を沢山お持ちで、それもとても楽しかったです。言葉で説明するのは難しいのでしませんが、な、なんというか、こんな物が世の中にあったの的な、珍妙な、またはおしゃれな、そして素晴らしく実用的な、そんな食器でした。
た、例えば、見えるかなー、このテーブルの上のワイングラス。。。
た、例えば、見えるかなー、このテーブルの上のワイングラス。。。
シンクの周りにあったこれらも楽しかったですけどね。
ちぐみさん、大林監督、本当に素晴らしい時間を、ありがとうございました!!!
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