干菓子と宇治茶からスタート |
パスカルズのツアーで京都に行く前に、偶然二カ所から黄檗普茶料理の話を聞いた。そしてとても心惹かれたのです。
江戸時代初期に中国から招かれた坊さんによって始まった黄檗宗というのがあって、このお料理はそれ由来なんだそうですので、その宗派の知識もなんにも無いのに食べてもいいのか、という気分もややありましたが、宗教や信仰というものはそもそもおおらかなものであるはず、と思いますので、お相伴にあずかることにしたのです。
美しい蘭茶。蘭は塩漬けで食べられます。 |
私はあんまり自分の行動に人様を巻き込まないタイプなのですが、このお料理を出してくださるお寺では ふたりからの予約となっていましたので、思い切ってパスカルズのM井部長やお友達数人をお誘いしてみました。
調べてみると京都にはこの黄檗普茶料理を食べさせてくれるお店が三軒、お寺がひとつあり、実のところ目的であったお寺の予約は間に合わなかったので、お寺の門前にある料亭に行きました。ちなみにここは、ひとりからでも予約を受け付けているようです。
湯葉の山椒和えとキノコと山芋の和え物 |
そしてお料理はこれがもう、素晴らしかったです!!
盛りつけの美しさも、お料理の種類も味付けも、なにもかも私好み。少し中華に寄った和懐石精進料理、ということでしたが、あまり中華料理の風合いは感じなかったな。
もうちょっとなんていうんですか?
"古代"、という印象が。
唯一中華料理っぽかった野菜の炒め物 |
真っすぐに、素材の美味しさと天然の色彩の美しさに落ちてゆく様な、潔い清々しさがあります。
しかし決して素材に頼り切るわけではなく、そこにはお料理人さんの、加え過ぎない、しかし退き過ぎもしない、という透徹された感覚が、満ち満ちていました。
胡麻豆腐二人 |
精進料理なので魚もお肉も全く使っていませんが、鰻に似せたお豆腐のお料理などは、確かにほんのりと鰻の味を感じて面白かったし、別に鰻にこだわらないとしても、そういう発明料理としても美味しくて楽しめました。
和食が文化遺産になるには、やはりそれなりの価値があるなと改めて思いました。
野菜料理あれこれ |
これはおそらく、人間の造り上げる文化の基本の要素として、大切に保たれてほしいものだと思いました。
というわけで、すっかり感銘し、普茶料理にはまってしまったワタクシ。。。
実は京都には銀杏庵さんという、建物自体も世界遺産になっているという小さな普茶料理のお店があることを突き止めました。
しっかり味のついている天婦羅。 一番下の黄色いのは、湯葉で作った満月だそうです。 |
ところで都内にも一軒、宇治の萬福寺で普茶料理を作っておられたという方の、普茶料理のお店があるそうです。
どうしても食べたくなったらそこも狙い目だなと、虎視眈々と次の訪問を狙うオレ様なのでした。
おひつで出て来る季節のご飯と香の物 |
松茸ご飯 |
絵画の様なお吸い物 |
デザートは紫蘇のジュレ |
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