2014年11月28日金曜日
トラウマ的ぬいぐるみ
今日は感謝祭なので、アメリカの友達からお祝いのメールが沢山届く。
秋に卒業したコロラドの学校のクラスメイトからも。
その中に、感謝祭の買い物に行ったスーパーで売っていたという、ぬいぐるみの写真が添付されているものがありました。
まああれですよ、大体何かを専門的に学んでる人間達というものは、仲間内でそれを笑いの種にするもんですよ。
コロラドの学校も、例外ではありませんでした。
そんで、このぬいぐるみですが。
クラスメイトが言うには、偶然にも"キャラクター・パターン”の姿で並んでいると(笑)。
キャラクター・パターンというのは、いわば人間が抱えている心理的外傷のパターンとも言えるものなんですが、それには五つの異なる基本パターンがあるんですね。
何故五つに異なるのかと言うと、うちの学校で主に扱っている心理的外傷は、大人になってからのものではなく、生後三年の間に起こる、脳の成長期にまつわるものなんです。
人間の脳は、その80%が生後三年の間に形成されると言われているのですが、その成長の過程は、脳幹と呼ばれる、生存する為の基本のあれこれを司る原始的な脳の部分から始まり、きちんと段階を追って、徐々にmoreヒト的機能の領域へと成長してゆきます。
その成長こそが、幼児の精神的肉体的発育とも言えるわけです。なんたって脳ですから、全体の発育をリードしているわけです。
こうした三歳までの脳の発育の段階が、生後0才〜1ヶ月、4ヶ月〜18ヶ月、といった具合に、三年の間に大きく五段階のタイム・ピリオドに別れるわけなんですね。
そして人間というものは、その脳の成長の段階レベルに応じて、質の異なる情緒的ニーズを必要としており、そのニーズを養育者などからきちんと満たしてもらえないと、脳の深いレベルに、深いトラウマを追ってしまう、というわけなんです。
この5種類に分かれるトラウマのパターンを、心理学ではキャラクター・パターンと呼びます。トラウマなのにあたかも生まれもっての性格みたいなふりをしてわたしらの脳に思考パターンや信念として存在しているので、"キャラクター"と呼ぶのかもしれませんが、おもしろいのは、人間というものは、実に正直に、自分の持つトラウマのパターンを体現する、姿勢や体形をしているものなのです。(そしてそれにはそれぞれ名前もついていたりするんです。)
これは単に太っているとか痩せているとかそういういうことではないんです。
また、大きなトラウマを持っている人ほど極端に体型に現れているというわけでもありません。
非の打ち所の無い様な美しい、バランスの取れた真っすぐなボディの人でも、酷いパターンを持っている人はいます。
まあそんなわけで、そうシンプルに一筋縄で語れるようなものではないのですが。
それでもクラスではデフォルメしたイラストなども使いつつ、如何なる形で脂肪や筋肉がついているか、如何なる形でどこが痩せているか、真っすぐ立った時にどんな姿勢になるか、等等、人によって大なり小なり体に出ている心理的パターンを学ぶわけなんです。
で、このぬいぐるみの写真がっ。
全くもって本当に、そのパターンを体現しているわけなのですっ)爆!
友人が言うには、
カエル→ホールド・トゥギャザー
(生後0〜1ヶ月/凍りついた様な動きの無い姿ー存在する事自体、生きる事自体への恐怖を持つ人)
豚→ホールド・ショート
(生後2〜4ヶ月/猫背。前屈みで崩れ落ちる様な姿勢ー挫折と虚脱のパターンを強く持つ)
猿→ホールド・アウト
(生後4〜18ヶ月/別名「私は大丈夫」。心の痛みを感じないよう意識をハートから体の表層にそらしている為、胸を張ったような堂々たる姿になる)
牛→ホールド・イン
(生後18〜24ヶ月/エネルギーが深く内側にホールドされている為、全体がギュッとした感じにー自由に振る舞おうとする度に叱られる事で培われる、もう何もやってやるもんか、という頑固な憤怒と反抗の体現)
アヒル→ホールド・アップ&ホールド・バック
(生後24〜36ヶ月/辛い感情や現実から逃げる為にエネルギーが体の上方に集中し、また後ろに退いている。)
すいません。。
これを書いているだけで笑っちゃってまともに文章が書けない。。。
こんな世界に馴染みの無い方には、きっとおもろくもなんともないかもとも思いますが、何と言ってもトラウマを扱う学びは、中々シリアスな空気になりがちです。
でもそれがこういう形で目の前に並んでいると、もうなんとも言えず可笑しい。。。。。
しかも、偶然これを見つけてしまう友人の可笑しさよ。
というわけで、一部の限られた人間の心にだけ深く響く、マニアックな”奇跡の一枚"のお話でした。
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